トラコのおもいつくまま

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春の雪

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忘年会のとき、看寿の生まれ変わりの人が三島由紀夫を読んでいるというので、20年ぶりぐらいに「春の雪」を読む。
当時のことで覚えていることは、世にも美しい恋愛小説であると感激し、「豊饒の海」全4巻を読んでいたある人とふたりでその美しさを絶賛していたことと、「天人五衰」の衝撃的なラストだけである。
爺になって改めて読んでみても、「春の雪」は相変わらず美しいと感じた。ただ、いかに20年近く前に読んだだけとはいえ、当時、その美しさに大いに感激した小説の内容を、これほど覚えていないものかと情けなくなった。
聡子と清顕が最初に結ばれるシーン。すごくいい。

春の雪1

この映画の映像美は素晴らしい。蓼科役の大楠道代なんて見事に原作のイメージぴったりである。聡子役の竹内結子も上品で清楚な聡子によく似合う。
しかし、竹内結子、いかん。脱げ!女優たるもの、ここは思い切り脱がねばならぬ場面で脱がぬとはけしからん。清顕役の妻夫木が裸なのに、どうして竹内結子は着物を着ているのか。
天皇の勅許が降り、宮家との婚約が決まった聡子が、求める清顕に拒絶の言葉を述べつつも、自らの手を添えて導き受け入れる素敵なシーンをちゃんと全裸で演じなくちゃあ女優とはいえない。せっかくの美しい原作をうまく表現している素晴らしい映画も画竜点睛を欠いた。



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